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【段落と改行】

 日本語の文章では、段落ごとに改行するのが基本的なルールとなっています。
 ただ、具体的にこれという完全に決められたルールはないため、人によって改行のやり方には違いがあります。
 ここでは、基本的な部分を紹介します。


段落と改行

 改行は、段落ごとに行うのが通常です。改行したあとは、文頭を1文字分空ける、「字下げ」を行わなくてはいけません。

 段落とは、文章の内容をひとかたまりにしたものです。「ひとかたまり」にといってもなかなかピンとこないかもしれません。
 近年は、改行を頻繁に行うことで文章を読みやすくするというのが、特にライトノベルと呼ばれる種類の小説では、「本を売る」ための常套手段となっています。
 だからといって、改行をすればするほど読みやすくなるというわけでもありません。
 結局のところ、やや抽象的な、感覚的な話になってしまいます。

例1:
 彼はまず、手を洗った。持参した石けんを濡らし、両手で挟むようにしてこすりよく泡立てて、両腕の肘から先にべっとりと付着した彼女の血を洗い落とそうとした。石けんの白と血の赤は混じり合って、美しい桃色に泡立った。腕についた血を洗い流したあと、彼は部屋の掃除を始めた。まずは横たわる彼女を片づけるために、数ヶ月前に購入していた旅行用の鞄を居間へと運び、彼女の隣につけた。

例2:
 彼はまず、手を洗った。
 持参した石けんを濡らし、両手で挟むようにしてこすりよく泡立てて、両腕の肘から先にべっとりと付着した彼女の血を洗い落とそうとした。
 石けんの白と血の赤は混じり合って、美しい桃色に泡立った。
 腕についた血を洗い流したあと、彼は部屋の掃除を始めた。
 まずは横たわる彼女を片づけるために、数ヶ月前に購入していた旅行用の鞄を居間へと運び、彼女の隣につけた。

例3:
 彼はまず、手を洗った。持参した石けんを濡らし、両手で挟むようにしてこすりよく泡立てて、両腕の肘から先にべっとりと付着した彼女の血を洗い落とそうとした。石けんの白と血の赤は混じり合って、美しい桃色に泡立った。
 腕についた血を洗い流したあと、彼は部屋の掃除を始めた。まずは横たわる彼女を片づけるために、数ヶ月前に購入していた旅行用の鞄を居間へと運び、彼女の隣につけた。

例4:
 彼はまず、手を洗った。
 持参した石けんを濡らし、両手で挟むようにしてこすりよく泡立てて、両腕の肘から先にべっとりと付着した彼女の血を洗い落とそうとした。石けんの白と血の赤は混じり合って、美しい桃色に泡立った。
 腕についた血を洗い流したあと、彼は部屋の掃除を始めた。
 まずは横たわる彼女を片づけるために、数ヶ月前に購入していた旅行用の鞄を居間へと運び、彼女の隣につけた。

 例1は全く段落にわけず、改行を行っていないものです。少々読みにくい上に、なんだか全体としてべたっとしている印象を受けます。良くありません。
 例2はすべて1文で改行を行っています。文章がブツブツと途切れているようで、流れが悪くなっています。簡潔ですが、色気のない文章です。

 例3は、内容を区切るために段落を作ったものです。「手を洗う」「掃除+鞄」という2つの段落に分けられています。
 例4も段落を作っていて、例3よりも頻繁に改行を行っていて、段落としては4つということになります。
 例3と4のどちらも段落を意図を持って分けていますので、間違いではありません。
 ただ、この文章においてどちらが正解かと言えば、どちらかというと例4かもしれません。

 その理由としてはまず、文章の内容自体がシリアスな内容なので、改行を多めにすることで文章に簡潔で乾いた印象を付与することが出来るだろうこと。
 そして、このあとの展開として、「掃除」はいくつかの手順に分かれそうですから、「腕についた血を洗い流したあと、彼は部屋の掃除を始めた。」という部分が段落として独立している方が、後々の文章との絡みで良い結果が出るかもしれないこと、です。
 改行が多めの方が読みやすい、という点もあります。

 とはいえ、印象や読みやすさなどというのは読み手の好みもかなり影響しますから、一概に例4が例3よりも良いとは言い切れないものがあります。
 それこそ、作品全体としての判断をしなければならない部分もあるからです。

 最後に当然のことですが、改行後の行頭の1字下げは必ず行ってください。ウェブページのちょっとした文章や日記などではともかくも、小説では字下げは常識です。
 特に本を読み慣れている人は、字下げで段落を認識する癖がついています。
 そのため、字下げのない段落分けは、段落分けとして機能が不十分になってしまい、結果としてどこか読みにくいという文章になってしまいます。


空白行の使い方

 小説では、何も文字を書かない空白行を文中に使用することがあります。物語の中で時間の経過や場所の移動を行った場合に、それをわかりやすくするために一行だけ空けて、次の文章を始めるのです。
 その、空白行で区切られた部分を「小節」と呼んだりもします。

 文章は、その固まりごとに名前をつけることができます。大きい方から、

 部>章>節>段落>行

というようになります。
 小説の多くは、「部」というものはなく、第何章というように、章立てが行われています。
 その章を、漢数字の番号を振ったりしていくつかに分けると、「節」になります。
 さらにその節を、空白行で区切ることで、「小節」となるわけです。

 すべての小説で節に番号を振って区切るわけではないので、小節は作品によってあったりなかったり、ということになります。

 空白行というものは、それ相応の意味を持って使わなくてはいけないものです。

※付記
 「空白行は意味を持って使え」と書きつつも、上記の文章でもあまり意味のない空白行を多用しています。
 単純に、文章を読みやすくするためです。
 ウェブサイトでは、ブラウザの仕様のせいで行間がかなりせまくなっており、書籍などよりも行と行が近いために、読みにくくなっています。
 それをいくらか改善するための、空白行です。
 ただし技術的には、htmlとスタイルシートを複合的に使用することで、行間の広さをコントロールするのは割と簡単です。
 詳細については他に回します。


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